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2021年4月28日(水)
クロム誕生日小話



レスト
「今日も仕事で疲れたな…。
はやく寝たい」
フォッグ
「なぁ、何か忘れているような
気がするんだが…」
レスト
「えぇ?何かあったかな…。
それってどれくらい大事なこと?」
フォッグ
「すごく大事なわけでもないが、
どうでもいいことでは無かったはず…」
レスト
「なんだろう。
道具の買い忘れでもあったかな」
フォッグ
「いや、そういうのじゃなくて
何かの日だったような…」
レスト
「クロムに聞いてみるか。
ねぇ、今日って何の日か覚えてる?」
クロム
「え?なにかありましたかね?
僕の誕生日ってことしか分からないです」
フォッグ
「それだ!!」
レスト
「それか!!」
フォッグ
「やっべ。1番聞いちゃいけねぇ人に
聞いちまった。忘れててすまん」
クロム
「いえ、別にわざわざ誕生日を喜ぶような
年齢でも無いので…」
レスト
「何歳になったの?」
クロム
「勇者シリーズはサ〇エさん方式で
何年経っても同じ年齢のままですよ」
フォッグ
「メタい発言をするな」
レスト
「そもそもさぁ、
4月28日って覚え辛い日付だよね。
バレンタインが誕生日の俺を見習えよ」
クロム
「そんなことに苦言を呈されても…」
レスト
「なんで漫画やゲームのキャラの誕生日は
記念日やゾロ目の日が多いか知ってる?
覚えやすいからだよ」
クロム
「な、なんかすみません…」
フォッグ
「こんな無茶苦茶なイチャモンに
謝る必要は無いぞ」
レスト
「覚えやすくするためにも、クロムは誕生日を
ひな祭りやこどもの日に変えるべきだと思うね」
クロム
「生まれた日を変えるのはムリですよ!?
っていうか僕は男ですし子どもでも無いのに
なんでその二択なんですか!?」
フォッグ
「おいレスト。もっと現実的な提案をしろ。
語呂合わせで4月28日を覚えるとか」
クロム
「そこまでして
覚えていただなくて結構ですよ…?」
レスト
「4月28日…。
4×2=8…。ひらめいた」
フォッグ
「掛け算は覚え辛いだろ。
うろ覚えで、うっかり別の数字で
掛け算しちまったらどうするんだ」
クロム
「あっ、じゃあ、4(し)2(に)8(や)で
シニアの日はどうでしょうか!」
レスト
「クロムお爺ちゃん…」
クロム
「まだお爺ちゃんって年齢では無いです!
せめておじさんにしてください」
フォッグ
「お前が自分でシニアって言ったんだろ」
クロム
「まぁ、いぶし銀な男を目指しているので
お爺ちゃんも間違っていないかもしれませんが」
レスト
「もっと現実的な目標を立てるべきだと思うよ」
クロム
「遠回しに無理って言うのは
やめていただけません!?」
レスト
「直接的に無理って言ったんだよ。
このポヤポヤ系天然男子め。
いぶし銀は諦めていぶりがっこにしとけよ」
クロム
「余計にひどい!!
しかも、いぶりがっこってお漬物じゃ
ないですか!漬けないでください!」
フォッグ
「いぶし銀って言っても、
いまいちピンとこないんだが…。
具体例を出してくれよ」
クロム
「背中で語る男…みたいな!
試しにやってみて良いですか?」
フォッグ
「お前の背中から一体
なにを読み取れというんだ…」
クロム
「がんばって背中で語りますから!
いきますよー!!
………」
レスト
「無言で背中を向けられても…」
フォッグ
「なんでちょっと横に揺れてるんだよ。
音楽を聴いてノッてる陽気な人にしか
見えねぇぞ」
クロム
「答えは誕生日ケーキを
食べたいな、でした!」
レスト
「声に出して言ってくれないと
分からないことってあると思うんだ」
フォッグ
「今日はもう夜遅いから
明日ケーキを買いに行こうな」
クロム
「やったー!
ケーキ♪ケーキ♪ケーキを食べると~♪
人は強くなれる~♪るんるる~ん♪」
レスト
「…やっぱり背中で語る
いぶし銀な男になるのはムリだよ」
クロム
「なっ、なぜ!?」


オマケ

豊穣の女神
「皆の衆!もうすぐクロリンの誕生日じゃぞ!
同じ委員会メンバーとしてお祝いせねば!」
ニャーコ
「次の委員会活動で用意するお菓子は
クロリンの誕生日ケーキで決まりッスね」
幽霊ちゃん
「ねぇねぇ、せっかくだし
手作りケーキに挑戦してみるのは
どうかしら~?」
豊穣の女神
「むむっ!ないすあいでぃあ!
クッキーなら作ったことがあるし
なんとかなるじゃろ」
ニャーコ
「クッキーとケーキは
だいぶ違う気がするッスけど…」
幽霊ちゃん
「同じお菓子だし
きっと大丈夫よ~」
豊穣の女神
「小麦粉と卵と砂糖を混ぜて
焼けばいいのじゃろう?
やはりクッキーと一緒じゃのぅ!」
ニャーコ
「なるほど…?
たしかに言われてみれば
似てる気がしてきたッス」
幽霊ちゃん
「クロリンは甘党だから
チョコも入れたらどうかな~?」
豊穣の女神
「うむ!いっぱい甘くしたほうが
クロリンもきっと喜ぶのじゃ!」
ニャーコ
「ちゃんと膨らむように
ベーキングパウダーも入れとくッスよ」
豊穣の女神
「ふむ…?膨らます粉があるのかえ?
ケーキはフワフワが好きじゃから
これもいっぱい入れるのじゃ」
幽霊ちゃん
「うーん、ちょっと子どもっぽい
ケーキになっちゃう気がしてきたなぁ。
隠し味にお酒もどう?」
ニャーコ
「オーブンでアルコールが飛ばないように
度数が強いやつが良いッスよね!
屋敷にあった1番強いお酒を入れるッス」
豊穣の女神
「火酒という名前なのじゃな。
なんだかすごそうじゃ!」
幽霊ちゃん
「あっ、ちょっとお酒を入れすぎて
生地がサラサラになっちゃったわ」
豊穣の女神
「だったら妖精の粉で
生地に加護をかけてみようかのぅ」
ニャーコ
「女神さまの加護!
これは素晴らしいケーキに
なりそうッス!」
豊穣の女神
「さて、生地もできたし
焼き上げるのじゃ!」
幽霊ちゃん
「あっ、私の幽霊仲間の
火の玉くんが焼きたいって言ってるよ~」
ニャーコ
「ひぇっ、こわっ!!」

1時間後…

豊穣の女神
「爆発したのじゃ」
レスト
「君たち、爆弾でも作ってたの?」
フォッグ
「お菓子大好き委員会から
爆弾爆発委員会に変わったのか…」
幽霊ちゃん
「ケーキは爆弾だ~♪」
レスト
「ケーキはお菓子だが?」
ニャーコ
「でも爆発したッスよ」
豊穣の女神
「ケーキとは恐ろしきお菓子だったのじゃな…。
やはりクッキーにかぎる」
フォッグ
「ケーキへの風評被害が酷い」

その後、クロムには誕生日クッキーを用意しました。
ハッピーエンド!